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by slyr | 2015-07-30 11:08

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薮に迷い込んだ。迷い込んだというよりわざわざ鬱蒼としためんどくさそうな中へ体を突入させた。薮の中には唐突に家があった。どんな場所にも人が住んでいる。どこへ行ってもそこで生きている人がいるなと思った。家を撮ろうとすると気配に気づいて男が出てきた。何だという感じで近寄ってきた。こういうときは道に迷った体を演じながら、なるべくヘラヘラするに限るのだけれど、その日はなぜか嫌な予感がし、心臓がドキドキした。それでも極めて自然な感じで会釈をして、撮りたくもない方へカメラを向けるなど誤摩化しをしていると、男は、その先にカワセミがいるから撮ればいいよと勧めてきた。偏屈な人じゃないかもしれないと思った途端、カワセミがいるんですか、行ってみます。などと適当な言葉が口をついて出た。男は私の相槌とは関係なく、近くに流れる川の水質の悪化や、辺り一帯の環境の変化から昨今の自然問題などに至るまでを存分に話り始めた。普段誰も訪れる人がいないと思われるこの薄暗い薮の中で、どこから入ってきたのか分からない初対面の人間に持論をぶちまけているこの男はやはり偏屈な、偏屈というより何か危険なことをする人間かもしれない。うすら恐ろしさの塊のようなものが頭を覆いはじめた。よきタイミングで話を切り上げ、薮の奥へ進まねば、いやもうこの薮から出なければと、もはや男の話は耳に入っておらず、気持ちは不安定になる一方だった。すると、さっきまでの蒸し暑い晴天が一変どんよりと冷気を帯び、急に強い風が吹き出した。薮の中全体がガシャガシャと音を立てて揺れ始めると、男は急に話をやめ家に引き返して行ってしまった。なんだか気が抜けて、まあなんてことのない普通のおじさんだったなと、至極当然の日常のような気持ちを取り戻し、なんとなく男が戻っていった家にカメラを向け、レンズを覗くと、画面の右下、庭の陰に隠れるように立ちこちらを凝視する男がいた。私を監視するような視線とファインダーの中で目が合った。鳥肌を立てながらシャッターを押し、薮の外に出たいという気持ちのまま奥へ進んだ

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by slyr | 2015-07-23 12:32

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 土手を歩いていると、向こうから中年の男女が歩いてきた。すれ違う瞬間、唐突に携帯電話を手渡され、自分たちの写真を撮るように頼まれた。操作が分からなかったが、適当に真ん中のボタンを押し、すぐに携帯を返すと、女の方は、うしろに彼岸花が写っていて縁起悪いぃ〜と言って男に画面を見せた。男は、女の顔が丸い、丸く写っている。とにかく自分の女の顔が丸いことを盛んに嘆いている。呆然とするわたしに一瞥もせず、ふたりは礼もいわず去っていった



 田舎の単線。いつもと違う車窓を楽しんでいると、葬式に向うらしい喪服着た団体が隣の車両からぞろぞろと押し寄せてきた。長老のような男が、そろそろ火葬場が見えるはずだとおもむろに声を発すると、次から次へ、え!どこどこ!西日がまぶしくてよく見えないわ!もう通り過ぎたんじゃないの!まだ先だろうなどなど親戚一同がハイテンションで盛り上がりはじめた。喪服を着た集団のはしゃぎっぷりこそ人間の真の姿だなあという感慨に耽りひとりほくそ笑んだ

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by slyr | 2015-07-22 13:26

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by slyr | 2015-07-10 13:26

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by slyr | 2015-07-06 13:02